社内の業務改善を行っていくにあたって、各部署・チームに対するヒアリングを実施することになった。
「改善」をどう定義するのか、まずは各チームがどうありたいのかを確認していくことにする。
要件定義の方法論
要件定義(目標達成のため、システム化するものを定め、その範囲を明らかにする)はこれまでの歴史から相当の蓄積がある。とりあえず参考図書にしたやり方(ウォーターフォールモデル)で整理する。
要件定義のフェーズ
下調べ | ユーザのおかれた環境を調査し、組織の特徴などを踏まえた協働の準備 |
段取り | 仕事のリストアップ |
分析 | ヒアリングと、そこから得られた情報の整理 |
定義 | 要求の吟味 |
承認・合意 | ユーザー、およびステークホルダーの承認を得る |
管理・維持 | リリース後の拡張や改変に備えたメンテナンス |
おおよそ以上の流れからシステムの設計などに移行していく。今回はヒアリングまで行う必要があるので、下調べ〜段取り〜分析までが実際に行う作業となる
下調べ
まずは相手の情報について、得られるものは得ておく。ウェブ制作の準備段階と同じイメージ。先入観に陥らない程度に、相手が抱えているだろう課題についてまとめておく。
段取り
要件定義におけるルールなども定めておく。今回は社内のベンダーによる社内DXという側面が強いので、揉めた際のジャッジが企業文化に大きく左右される。このあたりは常に留意して関係構築に勤しむ。
分析
実際にヒアリングを行う。ヒアリングのポイントは次の通り。おそらくここが全行程の中でも肝になる部分になる。
- そのチームの理想的な未来は何かを明らかにする
- 隠れているニーズ(潜在的な要求)を探る
- 当然だと思っているニーズ(暗黙の要求)を明確にする
そのチームの理想的な未来は何かを明らかにする
社内の理念的な目標は共有できているとして、その下で各チームがどのようにそれを体現したいのか、を明らかにする。
バランススコアカード
バランススコアカードは目標に対する視点を4つに分解して理解する方法論。「学習と成長」が入っているところが熱い。
財務的な視点 > 顧客の視点 > 社内ビジネス・プロセスの視点 > 学習と成長の視点 の流れで因果関係をつないでいく。言い換えるとKGI設計 > KPI設計 > KPI実現の戦略 > それを支える企業内の人的リソースへの投資 という形になる(と思う)。
目の前の仕事に精一杯だと、この視点がだんだん無くなってくるのでどんどん仕事は単調になっていく。
隠れているニーズ(潜在的な要求)を探る
今回私に期待されていることの一つに、社内のデータドリブンな意思決定文化の醸成というのがある。そのためには各チームに理想的な未来を語ってもらった上で、それを支えるためには何が必要であるかを自分の口から発言してもらう必要がある。
不足しているもののうち、データ分析などの知識や活用方法といった分野に及んでもらえるようにある程度の誘導・流れを作ることは必要か。
当然だと思っているニーズ(暗黙の要求)を明確にする
部署によっては当然だ、当たり前だと思っていることもしっかり形にしてもらう。特に古株が取り仕切っているチームの場合、よく分からないが続いているといった業務が発生している傾向が高い印象がある。
こうした業務を洗い出すとともに、こちらが想像もしていないようなニーズを明文化していく(難しそう…)。